安いサーバーは、本当に安いのか

自宅でサーバーを組むとき、よく候補に挙がるのが、企業で使われていた型落ちのサーバーやワークステーションです。性能のわりに、中古なら安く買えます。

でも、24時間動かし続けるなら、話は変わります。買うときの値段ではなく、動かし続けたときの総額で比べると、意外な結果になります。

電気代は、ワット数から計算できる

電気代は、消費電力から簡単に見積もれます。1Wの機械を1年間動かし続けると、約8.8kWh。1kWhあたり30円で計算すると、次のようになります。

24時間・1年間動かしたときの電気代(1kWh=30円で計算)
常時の消費電力1年間の電気代
20W約5,300円
50W約13,100円
100W約26,300円
200W約52,600円

型落ちのサーバーは、何もしていないときでも100Wを超える機種が珍しくありません。一方、最近の省電力なNASは、何もしていないときなら数W〜数十W程度のものが多い。差は毎年、そして何年も積み重なります。中古サーバーを安く買っても、数年動かすうちに、電気代で差額を払い戻すことになりかねません。

TODO:実際に使う機種の消費電力を、ワットチェッカーで測った値に差し替える(カタログ値は条件で変わる)。

電気代以外の、見えにくい費用

音と熱

データセンターに置く前提で作られたサーバーは、ファンの音が大きく、熱も多く出します。住まいに置けば、防音や冷房の費用が別にかかります。

壊れたときの部品

型落ちのサーバーの専用部品は、年数がたつほど手に入りにくくなります。壊れた部品が見つからなければ、その1台はそこで終わりです。

常に動かす機械は、NASにする

私が常に動かす機械にUGREENのNASを選ぶのは、次の理由からです。

  • 省電力:常に動かす機械の電気代を、小さく抑えられる。
  • 24時間の稼働を前提にした作り:NASはもともと止めずに動かす機械で、冷却や筐体もそれを前提に作られている。安いミニPCの中には、常時の高負荷を想定していないものもある。
  • 汎用の部品:x86のCPUで、メモリやSSDも一般的な規格。いずれメーカーのソフトの更新が終わっても、別のOSを入れて使い続けられる余地がある。
  • 直せる、売れる:同じ機種をそろえておけば、壊れた1台を別の1台の部品で直せる。手放すときも売ることができる。

売れるとはいえ、10年使った機械が高く売れるとは考えていません。数年で売って買い替えるか、使い倒して予備機や部品取りに回すか。どちらにしても、粗大ごみにならずに次の役目があることが大事です。

重い計算は、新しいGPUで、必要なときだけ

AIの処理には、RX 9060 XTのGPUを使うつもりです。古いGPUを安く買う手もありますが、世代が新しいほど、同じ電気で多くの計算ができます。GPUは消費電力が大きいので、この差は無視できません。

そして、GPUは常には動かしません。処理が必要なときだけ動かし、終わったら止める。常に動かす軽い機械と、たまに動かす重い機械を分ける。これが、電気代を抑える一番の工夫です。

比べると

型落ちサーバーと、省電力NAS+GPUの分離構成
 型落ちのサーバー1台NAS+必要なときだけGPU
買うとき安いそれなりにかかる
常時の電気代高い安い
音と熱大きい小さい(GPUを動かすときを除く)
壊れたとき専用部品が手に入りにくい汎用部品、同じ機種どうしで直せる
1台が壊れたら全部止まる役割ごとに分かれていて、影響が限られる